おはようございます。ユービス株式会社の佃煮です。
肩肘張って真面目くさったのは前回までで、ここからはのびのび書いていきます。
何を作っているの?
さて環境保全プロジェクトということで、現在作っているのは「自動で走る草刈り機」です。
草刈りというと単純な肉体野良作業のように思えますが、実際には相当な危険作業のようで
機械の振動を長時間浴びることで健康を害したり、作業中の事故で人が亡くなるといった深刻な問題を抱えています。
しかもこれが里山と農地の保全の第一歩ということですから、その労苦はいかばかりか。
食べていくためとはいえ日常的に苦労を強いては絶対に長続きしませんので、早急に手を打たなければいけません。
農機・土木・造園の各会社は早くからこの問題に気付いていて、リモコンで遠隔操作ができるもの、急斜面でもウインチを利用して対処できるもの等、既に対応したいくつかの製品が作成されています。
特に海外メーカー製品には優れたものが多く性能に目を見張るものがありますが、国内の狭い土地事情に照らしてそのまま当てはめられるかどうかはわかりません。
で、「自分たちで作ってしまえ!」と始まったのが本プロジェクトです。
はい、堅苦しい話は終わり。
「最初に計画を設定したらあとは自動で、定期的に」「日本の狭く急峻な土地でもある程度対応」「遠くから安全に」「できるだけ少ない作業人数で手軽に」「荒れ切った耕作放棄地を再び農業に利用できるように」「技術開発としても意義を持たせて」
などから
「ラズパイ使って何かしたい」「ネットワークを介して制御できるロボ作りたい」「AI技術の勉強もしたい」みたいに、自分たちのやりたいことを目標にひたすら詰め込んでいます。それはもう、てんこ盛りです。
会社の勤務時間を使って道楽をするわけにもいかないのと、実際に将来「物質的に食っていけるか」には危機感があるので結果的に思想と社会の流れとが合致したくらいのお話ですね。
とはいえ、自身も気づいたらもう30代終わっちゃってるんですよ…!
年齢なりに真剣に取り組んで結果を出さなければいけません。
高卒IT業界未経験転職中年の逆転劇、なるか?(←ひどい字面ですね!)
具体的には?
はい、画像のようなものをいじり倒しています。
配線キタナイ罪で逮捕されそうなくらいごちゃごちゃしてますね。
(これでも専用で配線作ったので、整頓されたほうです…)
Raspberry Pi初心者にありがちな、ブレッドボードにGPIOピンをダイレクトに生やしてあれこれ実験するやつです。教本通りといえばそうなんですが、簡単なデジタル回路工作はこれくらいで全然問題ないと思います。
各部品については、完成されたモジュールを使用させてもらうなら、配線よりもデータシートとにらめっこしてプログラム書く時間のほうが大変です。
色々刺さっていますが、主に利用しているのは以下の通り
モータードライバーモジュール
9軸センサ
気圧・高度・温度センサ
GNSS受信機
超音波測距センサ
あまり役に立っていないのですが、A/Dコンバータやカメラも使えるようにはしてあります。(いずれ自車からの映像転送や画像解析などもやってみたいです)
これらのセンサ類から得たデータは「MAVLink」というオープンソースの自動運転向けプロトコルを利用して管制PCへ送信されます。その情報を基に管制PCから同プロトコルで運転の指示を受けて、自動で自走する車両を作成しています。
管制PCソフトウェアも、これまたオープンソースの「MissionPlanner」を利用します。
↓MAVLinkについては公式サイトへどうぞ(英語です)
↓MissionPlannerについてはこちら(やっぱり英語です)
というわけで、この記事の今後は
自動運転車両を制作する過程で出てくるあれこれを、業務に差し障りのない範囲で共有できればと思います。まずは名前を出した「MAVLink」自動運転プロトコルのお話。こちらがメインになります。
実は「MAVLink」を利用してドローンを制御する、という記事は少ないながらも見かけるのですが、これが「MAVLink」を利用して制御される車両を作成する、となると全然資料がありません。このブログでは制御される側の作成過程を記述しています。
または、上記センサの Python プログラム上での使い方のヒント等。
自身は Python の学習はまだ二か月ほど、完全独習で本来なら人に教えるなどおこがましい立場ですが、これからマイコン制御などでセンサを扱う学生さんなどのお役に立てていただければ幸甚です。
(こちらもソースコードキタナイ罪で逮捕されそうです)
以上、佃煮の戯言でした。
ほどほどに期待しないで次回をお待ちくださいませ。
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